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正司先生の
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お母さんが風邪引きを創っていませんか

2022.01.12

風邪引きのシーズンがやってきました。

 どうしたら子どもたちを風邪引きから守れるか、お母さんたちは、うがいや手洗い、運動を勧めたり、いろいろな方法で予防に努めておられることでしょう。

 ところで、よく風邪を引く子どもがいます。見ていると、よい方法はいっぱい知っているけれど、なかなか実行できず風邪引きを繰り返している子ども。

 今一つは、お母さんがそれと気付かず子どもの風邪(病気)を創作してしまっているケースです。お母さんが病気に対し過敏であったり、自分の子どもは弱いと思い込んでいると、ついつい神経質に対応し、過ぎてかえって抵抗力を弱め病気にかかりやすくなっているという悪循環の状況です。

 例えば、授業が始まってしばらくすると。一人の子どものお母さんが「先生、温度ちょっと下げてもらっていいですか」と言われます。しばらくすると子どもが「寒い寒い」と言い出します。お母さんが上着を着せてもまだ「寒い寒い」と言うので「すみません温度を上げてもらっていいですか」再度お母さんが言われます。別の子供は「暑い暑い勉強できない」というのでお母さんが洋服を脱がせたり着せたりしています。こんな子どもが増えています。

 温度差に神経質に対応する親に、上着を着せてもらったり脱がせてもらったり頻繁に調節してもらっている子どもが、急に寒いところへ出たり汗をかいたりすると自分で体温を調節できず風邪を引いてしまいます。こういう子どもはしょっちゅう風邪を引くのでますます神経質に扱われます。

 クシャミをしただけで「大丈夫?しんどくない?」と額に何度も手を当てたり子どもの前で「この子は風邪を引きやすいんです」とか「また引いてしまいました」というような会話を繰り返していると、子どもも自分は体が弱いんだと思い込み、神経質な子どもになってしまいます。

 その上、こういう傾向のあるお母さんは、子どもが具合が悪くて、ぐずついたりうまく出来なかったりすると、「今日は風邪引きなので」とか「朝からしんどかったんです」などと体が弱いということをいい訳に使われがちなのでそれを聞いている子どもはがんばろうという気がなくなったり、ついには都合が悪いと本当にしんどくなってしまうという悪循環を繰り返すようになり、ならなくていい風邪や病気にかかってしまう(創ってしまう)という事があります。
 気を付けてくださいね。