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アバウトLittle Bookshelfとは

絵本の時間は、息子(2019年10月現在22歳)との大切な宝石の時間です。

私の小部屋、Little Bookshelfには、宝石の絵本が並んでいます。絵本には読まれた場所と時間という奥行きがあり、時に思い出が書き添えられています。読んで読んで読んで読んで読み続けた絵本には、くたくた感という味わいがあります。

絵本との出会いは、生後3ヶ月の息子にちひろさんの『あかちゃん』という絵本を見せたときでした。赤ちゃんの視覚システムは生後一ヶ月から三ヶ月の間に飛躍的に変化するといわれています。一ヶ月のときは、漠然としか見えていないが、二ヶ月になるとじっと見ている注視時間が長くなり、三ヶ月では、複数のものを見比べられるようにまでなるとことが乳児行動発達学の分野の研究で明らかにされています。まさに、生後三ヶ月目から、私と息子の絵本の時間が始まりました。母親の私は息子の成長を見守る中で絵本の絵と物語と作者の創作活動に魅惑され、その魅惑の魔法にかけられ現在に至っています。

息子が成長した時間は、いつも絵本で埋め尽くされていました。朝昼夜、特にいつと限定することなく絵本は息子と私の近くにありました。赤ちゃんが絵本を絵本とわかるのは、繰り返しそれが絵本であるこるということを語りかけられるからです。おそらく、最初は息子にとって絵本は色のついた四角い物体に写ったでしょう。繰り返し繰り返し絵本が彼に何かを語りかけ、その音が心地よく耳に入り、そのうちに『わんわん』と犬の絵が、『にゃんにゃん』と猫の絵が彼の頭の中で認知されていったのです。

言葉の発達は生活環境と結びついたとき初めて子どもにとって生きたことばになるということが赤ちゃん学の研究から明らかになっています。

子どもが成長の中で絵本と出合い、絵と言葉を栄養にして心を育んでいます。子どもが生活の中で絵本に出合うためには大人の力が必要です。一日の始まりに、一日の終わりに、一週間の始まりに、一ヶ月の始まりに、一年のスタートに大人によって子どもは絵本に出合う事ができます。

このLittle Bookshelfは、このように子どもが絵本に出合うことについて情報を発信できたらという想いを形にしたいと思い開設します。

  • 谷川賀苗Kanae Tanigawa