チャンスを活かしましょう

　これはレクタス創業間もない昔の出来事ですが、A　2キロ　28分、B　2キロ　33分。この数字をご覧になって、皆さまはどんなことを想像されるでしょうか？これは、ファミリーマラソンで完走した私共の教室の一歳児の記録です。

　Aは一歳　七ヶ月の男の子、Bは一歳　十一ケ月の男の子です。二人共、マラソンに備え、特別の訓練などしたことはありません。

　Aくんは、毎朝、お父さんと一緒に、近くの山へ登るのを日課にし、B君は、少し離れたスーパーへお買い物に行く時、おばあちゃんと歩いて往復していたそうですが、この程度のことは、取り立てていうほどのことではなく、ごく普通の子どもたちです。

　この二人が、2キロ完走した原因を敢えて探すなら『一歳児でもファミリーマラソンで走るチャンスがある』をお母さん達に話した時、あれこれ迷わず、『出来るかどうか、結果はわからないけど、とにかく、やってみましょう』、と言われた意思決定にあったと思います。

　この時、私は、二人以外にも声を掛けました。「朝早くいくのは大儀」。「主人が送ってくれない」「私が2キロ走る自信がない」などの理由で実行されませんでした。これは、強制ではありませんし、それぞれに理由はあったと思いますが、このチャンスを活かした人と、活かせなかった人の間に違いが生じたと思います。

　仮に完走できなかったとしても、実行した人、新しい世界が開けた筈です。この時、成功した人は、能力が意思によって、いくらでも伸びること、その人の思いが能力を決めることを体験し、両親にも、子ども達にとっても一生の宝物になったと思います。 そばでこの成り行きを見ていた私たちも、チャンスをチャンスと感じ、捕らえられるかどうかで人生が大きく違ってゆくさまを目の当りにし、我が身を振り返って身の引き締まる思いがしました