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子どもの本棚絵本レビュー

オリーとはるかぜのまほう

2023.03.22

ニコラ・キルン 作 増子久美 訳 化学同人 2021年 定価1,900円(税別)

 毎日毎日雨ばかり。オリーは、うさぎのぬいぐるみのバニーと一緒に雨が上がる日を、待ち焦がれていました。

 遂にお日さまが顔を出すと、水たまりでじゃぶじゃぶ遊びをしょうとバニーをバスケットに入れて外に飛び出しました。そこに、春風が、花びらを連れてきます。バニーの鼻の上に花びらが一枚ふわりとのりました。すると、バニーの鼻が、ひくひく、ひくひく。。。そして、耳もぴくぴく、ぴくぴく。パスゲットを飛び出したバニーを探すおりーの小さな冒険。不思議な1日の終わり、ベッドに入ったオリーは、バニーに絵本を読んであげます。そして、バニーの鼻の上にのっている花びらを、無くさないように大事に絵本に挟み、バニーに「おやすみなさい」と。

 幼子が、一日どんな発見したか、たくさんお話ししてくれるベッドの時間にお勧めしたい作品です。作者のニコラ・キルンさんは、幼いころから絵を描くのが大好きだったそうです。動物園で、サイやペンギンなどお気に入りの動物をスケッチするのが何よりも好きだったそうです。子どもの好きを大切に育みたいですね。