トップ > 子どもの本棚

子どもの本棚絵本レビュー

フレデリック

2022.01.19

レオ=レオニ 作 谷川俊太郎 訳 好学社

 牧場に沿った石垣の中に、野ねずみの家がありました。野ねずみの仲間たちは、近づく冬に備えて、みな食べ物集めに余念がありません。ところがフレデリックだけは何もしないでじっとしています。仲間が不審に思って問いただすと、暗くて寒くて長いふゆのために、太陽の光や色やことばを集めているのだと答えます。他の仲間たちには理解できないことでした。

 冬が来て、食べる物が尽きた時、仲間たちは言いました。「フレデリック、君が集めたのはどうなったんだい?」