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正司先生の
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「子どもの好き」って

2022.02.10

 すばらしい能力を発揮する子どもがいます。

 テレビのワイドショーなどで取り上げられると、「どうしたらそのような子どもに育てられるでしょうか」という質問が必ず出ます。

 理系のノーベル賞受賞者にも同じような質問が寄せられます。答えはいつも決まっています。

 「そのためには、子どもの好きなこと、興味あることをさせて上げることです。

 これは、どのお母さんも知っていることですが、権威ある先生や天才児のおかあさんが言われると、皆大きくうなずき、改めて納得されるようです。では、子どもの好きってどんなことでしょう。

 藤井聡太君のように将棋がすき、乗り物好き虫好き、お絵描き、これなら判りやすいのですが、「うちの子どもは何が好きなんだろう?」

 この間、ゴミ箱をひっくり返して、ごみを引っ張りだし、紙屑を口にいれかけたので「きたない!止めなさい」!と怒って止めさせたけれど、そのあともこりずにやっていたし、おばあちゃんの家でもやったので恥をかいたけれど、ひよっとしたら、これが息子の好き? 

 何でもかんでもポンポン投げ、お皿も何枚もわってしまったけれど、もしかしたらあれも好き?

 もっと小さい赤ちゃんの好きって、どんな事でしょう。おわんに手をつっ込んでスープをこぼしてしまったとき、こぼれたスープを嬉しそうに手でビチャビチャとたたきだしたら、貴方がお母さんならどうされるでしょうか。

 子どもが気に入っいてるみたいだから、服も床もドロドロになってるけど、しばらくしたいようにさせておこうと見守ってあげるでしょうか。それとも大急ぎで雑巾で汚れた床を拭き、きれいにされるのでしょうか。

 こぼすのは良くないのだと教え、直ぐに雑巾で後始末をされたお母さんの「こどもは、やがてお母さんを見習い、お茶をこぼしたときなど、さっとお掃除ができるお利口な子どもになるでしょう。私も、そういう子どもが床にこぼれたジュースをさっと雑巾でふく場面を見たことがあり、小さいのにお利口な女の子だなぁと感心したのを覚えています。誰がみても、躾の行き届いたよい子ども、よいお母さんです。でも、これが「子どもの好きを活かすチャンスを奪ったね、せっかくのチャンスだのに」といわれたら、どう思われるでしょうか。お母さんならずとも賛否両論あると思います。

 『子どもに好きなことをさせてあげる』わかっているけど、現実は難しい問題です。いくつかの例を参考に一緒に考え、「好き」を、うまく子育てに活かして頂ければ嬉しいです。